日々の残像VI〜音楽と暮らし〜

残像のブーケ/大森元気のブログ - since April 2019

AOR~ライトメロウ?「ナツノユメ」に込めた憧憬と次の展望

■リリースと公式プレイリストイン

ライブが重なったりでじっくり書けていませんでしたが去る9/22、2ヶ月連続Sgの第2弾「ナツノユメ」が配信リリースとなりました。たくさんの人に聴いてもらえているようでありがたい限りです。

www.youtube.com
YOUTUBEではサブスクやっていない方でもフルでお聴きいただけます。画像はジャケ写の静止画のみですがこれまで配信してきた楽曲すべて対応しています。

◉その他 配信各ストアへのリンク
https://linkco.re/DD4FSgd7


今回初めてSpotfy公式プレイリストにも入れてもらいまして感謝&感激です。

◉プレイリスト名
 "New Music Everyday - tuneTracks (curated by TuneCore Japan)" 
https://open.spotify.com/playlist/2Ire6ITzhCGGw2WFHzSrJF

◉楽曲情報



■夏の歌を早く出したかった

春、1stアルバム『残像のブーケ』のリリースおよびプロモーションが落ち着いて、5月くらいから集中して曲作りに入りました。そうして作ったいろんな曲(どれも歌詞は無く、メロも原型の状態)の中から一番早く形になりそうな曲を仕上げることにしました。そのあたりの経緯は以前ブログに書きました。その曲が今回リリースした「ナツノユメ」になったのでした。

楽曲情報(上の画像参照)にも書きましたが、1stアルバムにバラードらしいバラードがなかったのでなるべく早くリリースしたいなと。それと、アルバムが春っぽい曲が多かったので夏に聴ける曲を早くリリースしたかったんですね。それで新曲「ナツノユメ」を書き、その前に過去曲リメイクである「夏の星座2022」とあわせて2か月連続リリースすることに決めました(本当は2曲同時もいいなと思っていたのですがちょっと無理でした)。

■あざとくなくてぐっと来るもの、自然だけどありがちでないもの

ところが、一番早く形になりそうなものを選んだにもかかわらず予想より難航しました。

原型の段階まではかなりスムーズに「さらっと」と言っていいくらいの無邪気さで書けたのですが、いざ形にしていく段階に入ると歌詞の一部が難航したり、最初なかったBメロを追加したりして(しかも何パターンかで悩んだ)どんどん予定がずれこんでいきました。

その頃のツイートを前述の過去ブログにいくつか転載しましたが、「あざとくない」でも「ぐっとくるもの」、「自然な」でも「ありきたりでない」という相反する(少なくとも僕には相反していると思える)天秤の間で苦悩していました。

詞/曲の完成は記録によると7/15、そこからアレンジ&録音に入るわけですが、一通りの歌と楽器を録ったところで一旦止めて「夏の星座2022」を優先。そのため完成は9月になりました。最初に作ったときけっこう余裕でいたんですけど全然でした(苦笑)

AOR、ライトメロウ、シティ…

早く出したかった理由に「夏に聴ける歌を」そして「アルバムにバラードがなかったので」と書きましたが、もう一つ。やはり「次のモード」に入っているのを聴いて欲しかったというのもありました。

これも楽曲情報に書きましたが、一見普通のバラードに見えて新しい試みをいろいろしてみた曲です。

AOR〜ライトメロウ」なんてかっこつけて書いてみましたが、コードの選び方、楽器の音色、Aメロに多用されたシンコペーションのリズム、Bメロが全部キメみたいになっているアレンジ、サビは王道と思いきやラストで転調の回収があること…などなど。

ジャンルの定義はぼくは勉強不足だし、人それぞれの解釈によって違ってくるので厳密にはよくわからないですが、とにかく初夏以降そういう方向を見ていてそちらに向かって進んでみたい!と強く思い始めた時期でした(今もその気持ちは続いています)。

www.youtube.com

2曲をちょっとずつ聴けるティザームービー(本人出演あり)。

第1弾として出した「夏の星座2022」のアレンジも僕なりの”シティポップ”っぽいことを意識したり、そういう姿勢を感じてもらえる2曲になったのでは?と思っています。


■ぼくのAORの原点

そもそもなぜAOR〜シティなのか。残像カフェ時代にも「ハートビート」とか「夏の星座」とか、広い意味では「朝」とかもそうなのかな。いくつかシティ的な曲は作ってきました。当時ライブでは爆音のロックバンドでしたが、ひょっとしたら音源だけ追ってくれていたファンの方にはシティポップ的なイメージのほうがむしろ強かったかも?とさえ思います。

若い頃からはっぴいえんどファンで、その流れでキャラメルママ〜ティンパンアレーに発展して多くのアーティストのバッキングを担った作品群、それから山下達郎氏や大貫妙子氏の名作の数々、そこらへんは━━網羅とは言えませんが好きな作品がたくさんあり影響を受けました。残像カフェの頃のシティ感はそのあたり由来だったかも知れません。

ただ彼らの影響も多大なものでしたが、なんといっても僕のシティ、そしてAORの原点は”風”(伊勢正三大久保一久)や伊勢正三のソロワークだったりなのです。(SNSやブログをいつも読んでくれている人には何度も書いているのでしつこくて失礼...)

■80年代の伊勢正三

先日ツイッターにも書きましたが、5月からほとんど毎日 伊勢正三氏を聴いていました(今も)。いや、そもそも30年日常的に聴いているのだけど、最近は”ある時期”のアルバムばかりヘビロテしています。

フォークデュオだった風が、後半3枚のアルバム(~そしてソロ1stあたり)でスティーリーダンなどの影響からAOR化しファンに衝撃を与えました。と言ってもその時期の代表作であるアルバム『海風』はチャート1位を獲得しています。

僕はこれまでこの時期の作品が好きで重点的に聴いてきたのですが、そのさらに後、80年代前半の『渚ゆく』『スモークドガラス越しの景色』という2枚のアルバム期。少しアンニュイな雰囲気を持った楽曲群に今年がっつりハマりました。

AOR、ライトメロウともいうのかな。海の歌も多く、メロウな時間が流れています。10代の頃は分かんなかったし、20〜30代は風時代のほうがダントツ好きだったのですが今はここらへんが好きでたまらないんですね。

↓に紹介するのは個人的に作ったプレイリストなので若干偏りあるけど、僕が日々ヘビロテしてる80年代の伊勢正三プレイリストです。興味ある方は聴いてみてください。

open.spotify.com

この路線で1枚アルバムを作りたい!

ここらへんを毎日ヘビロテしながら、それはそのまま自分が次にやりたいことのヒントやきっかけとなっていったことは言うまでもなく。「夏の星座」のリメイクや、新曲「ナツノユメ」に繋がっていきました。

今まだ2曲だけです。作りかけの歌もいろいろあるけれどライブがあったりでまだ形にしていません。その断片たちをどんどん形にしていって、ほかにも新たにいろいろ作って、アルバムなりミニアルバムなりにしていけたらと思っています。

ただ、今後完全にAORの人になりたいというわけではないんです。またフォークロックもやるでしょうし、カントリーもやるでしょう。そのときそのときのやりたいこと、やるべきことに夢中になりながらうまく吸収して自分なりに表現できたら。そんなふうにいつも思いながら歌を作っています。

シティアレンジを施した「夏の星座2022」、AOR~ライトメロウに接近した「ナツノユメ」。2曲をリリースして、9月、残像のブーケ始動後はじめてとなるライブが2本ありました。アコースティックだった9/10のレポはすでに書きましたが(>>1, 2)、より今後の展望を表現した9/23ライブのレポ―トは次回更新分にて書きたいと思います。



 

Information 


【News / Release】
◆2か月連続デジタルリリース決定 第2弾「ナツノユメ」9/22解禁

 配信ストア一覧
◆2か月連続デジタルリリース決定 第1弾は8/24解禁、残像カフェのセルフカバー「夏の星座」
 配信ストア一覧
◆「残像のブーケ」1stアルバム好評発売&配信中
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全12曲入、CD+配信
◉CD 2022.3.30 先行発売
紙ジャケ仕様、歌詞&セルフライナーノーツ付
 OURLIFE MUSIC WebShopにて購入可
◉配信 2022.4.19 解禁
各配信ストア一覧ページ→こちら
全曲ダイジェスト>youtubeに公開中→こちら その他ティザー動画(4曲/5バージョン)もあり

◆過去作品『君の街 僕の街』
配信解禁 & 収録曲から新たに「イツカノハル」リリックビデオ公開
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・「イツカノハル」リリックビデオ▶︎こちら
・『君の街 僕の街』サブスク各社リンク一覧▶︎こちら


【Live Schedule】>>スケジュールページ
●10.29(土)宇都宮 悠日カフェ
あがた森魚ワンマン (サポート参加+O.Aとしても出演決定)
●10.30(日)宇都宮 悠日カフェ
小川倫生 × 残像のブーケ(大森元気)ツーマン



【OtherWorks】
●2021年11月発売、RISA COOPERこと岡田梨沙のソロアルバムに1曲楽曲提供しました→特設ページ / 全曲Teaser動画
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あがた森魚 2013年~2021年複数アルバムにChoで参加しています。またライブも不定期でサポート参加中(Cho,AG,EG)
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●2019年公開よりロングランを続けている映画『嵐電』(らんでん)(監督:鈴木卓爾/主演:井浦新/音楽:あがた森魚)エンディング曲にコーラスで参加。DVDのほかサントラも発売中。
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●「アートにエールを!」出展作品佐島由昭作品「遠くの窓からこんにちは」音楽を担当。YOUTUBEにてご覧頂けます。(同監督とは過去2作品でも提供しています)