日々の残像VI〜音楽と暮らし〜

残像のブーケ/大森元気のブログ - since April 2019

O-Nestライブレポ~挑戦したいくつかの事柄(動画×4公開+写真多数)

photo by 武井由佳

■残像のブーケ、フル編成では初ライブ

日があいてしまいましたが今回の記事は去る9月23日(金・祝)の残像のブーケLIVEのセルフレポになります。レポにとどまらず、今回のライブに込めた思いや挑戦したことなども書いてみようと思います。

9月23日昼。ライブは渋谷Spotify O-nestにて行われました。
同月(9/10)のアコースティックライブに続いて残像のブーケ始動後2回目のライブ、フル編成としては初ライブとなりました。

(もっとも昔、同様のメンバーで演奏したことはありましたがまだ残像のブーケ始動前でした。)

Wikiki Recordsの23周年パーティーと銘打ち、ELEKIBASSと残像のブーケのツーマン。呼んでくれたWikiki Records主宰のELEKIBASS坂本さん、そして間に入ってくれたスガタさん(両バンドでドラム担当)お二人に感謝です。

大森撮影


photo by ELEKIBASS坂本さん。
撮られたのまったく気づかなかった!(SNS上で知りました笑)。

ツーマンということで持ち時間たっぷりめ。これは初ライブとしてやりがいがあったし、同時に、後述しますが──いま2つのモードの過渡期なので、時間の制限を受けずに今の状況を見せられるようなセットリストを組むことができて、その点でも幸運でした。

尚、今回ライブバージョンとして尺を伸ばした曲があったり、もともと長い曲もあるので結果、8分前後の曲が3曲もあったのです、持ち時間が30分とかのイベント形式だったらそんな選曲やアレンジはできなかったでしょう。


photo by 武井由佳


動画からのキャプチャ(撮影:アダチヨウスケ)


動画からのキャプチャ(撮影:アダチヨウスケ)

 

■2つのモードの過渡期

「2つのモードの過渡期」と書きました。1つは4年半かけて作ったアルバム『残像のブーケ』のお披露的な意味。春の発売でしたがレコ発ライブ...というかそもそもライブ自体できていなかったので。

もう1つはアルバム発表後 8月・9月と2曲の配信シングルをリリースし、前記事で書いたように僕としてはいま次の新しいモード(シティ~AOR的アプローチ)に入っているので、その姿勢を示したいと。


動画からのキャプチャ(撮影:アダチヨウスケ)

photo by 武井由佳


photo by 武井由佳

・春のアルバムから→5曲(1曲はさわりのみ)、
・夏以降のシティ~AORモード→2曲(+AOR曲をSEに登場)

ちなみに「涙が出ちゃうよ」はアルバム曲ですがちょっとシティ的なアレンジをした曲なので両方のモードに当てはまる曲とも言えますね。

なので、全体としては2つのモードが半々くらいのバランスだったように思えます。自分たちとしてはそれらが極端に乖離することなく、うまい具合に混ざり合っていたように思います。


動画からのキャプチャ(撮影:アダチヨウスケ)

photo by 武井由佳

動画からのキャプチャ(撮影:武井由佳)

前記事でも書きましたが、いまAORのモードにいるけれど「それしかやらない」ということではないので。(僕の憧れでありAORのお手本でもある伊勢正三氏も同じようにAOR期においてもかなりロックな楽曲や過去のフォーク時代の曲も演奏しています)

僕も━━たとえば次のアルバムがシティ1色になる可能性はあるけれども━━ライブでは2つの要素、両方をやっていけたらと思っています。その選曲具合やバランスは毎回変わるでしょうが、それも含めて今後ライブの楽しみの1つにもなるかなと思っています。

■セットリストと各曲ふりかえり

2022.9.23 Spotify O-nest セットリスト

1.旅するように歌うのだ(冒頭のみ)
2.ぼくの愛する暮らし
3.メランコリー
4.夏の星座
5.涙が出ちゃうよ
6.ナツノユメ
7.恋は終わってしまった

M3・M7...アウトロの長いライブバージョン
M5...イントロと間奏で各メンバーのソロコーナーのあるライブバージョン

登場SE:Orange Groove(伊勢正三AOR曲)

残像のブーケ
大森元気 Vo,EG

Noriyuki Sugata - Ds
木下正樹 - B
中嶋佑樹 - Key,EG,Cho
みんみん - Key,Cho
平松稜大 - AG, Cho
うちだあやこ - Cho
MOVIE:アダチヨウスケ

このライブの全曲ダイジェスト+フル3曲、合計4ムービーを公開しました。

youtu.be  残像のブーケLIVEダイジェスト 2022.9.23@Spotify O-nest

せっかくなので(蛇足かも知れませんが...)曲ごとにレポなどしてみてもいいですか。

1.旅するように歌うのだ
ひらまつ君のアコギ1本で歌いました。冒頭のみ演奏して次曲へメドレー。

2.ぼくの愛する暮らし
9/10のときはアコースティックだったので、ドラム入り7人で演奏するのは初めてでした。(REC前に披露したことはあったけどまだ出来立てのアレンジでした。あ、再結成・残像カフェでも4ピースで演奏したけどあれはまた別物ですね)

ストレートなエイトビートなのでシンプルと思いきや、音源Verは相当数の楽器を重ねてるので同じ雰囲気を出すのは意外に難しくて。まあ同じにする必要もないので楽しく演奏はしてるんですけど聴いた感じ寂しくならないように演奏したいなと思いながらやっています。

みんなで叫ぶ「ロックンロール!」も楽しかったし、ナカジのネルス・クライン(Wilco)ばりの間奏のフレーズ(ダイジェストに入れてなくてすみません)も初披露、かっこよかったです。


動画からのキャプチャ(撮影:アダチヨウスケ)

3.メランコリー
これもREC前に1度演奏したことがありますが、このアレンジ&この7人では初披露です。音源ではストリングスやメロトロン(シンセで代用)が入っていましたが無理に再現しようとせず、今回は今回としてライブアレンジをしました。

そしてアウトロ。音源ではフェードアウトしていきますが尺をかなり伸ばして全員セッション状態。サイケに盛り上がりました(上に貼ったダイジェストで見れます)。

4.夏の星座
ライブ1か月前(2022.8)にリリースしたこの曲ですが、もとは過去曲なのでライブではいろんなバージョンで演奏してきました。(リリース音源はすべて大森が演奏+打ち込み)

今回は音源を参考にしながらもメンバーで改めてアレンジし直しました。音源で目指したシティ感、グルーヴ。難曲&難アレンジで苦労しましたがリズム隊のかっこよさ、そしてナカジはじめメンバーみんな体を揺らしながら演奏してくれていい雰囲気でした。

後述しますがギターソロも新しい境地にチャレンジしました。(ダイジェストで観れます)


動画からのキャプチャ(撮影:アダチヨウスケ)

5.涙が出ちゃうよ
音源でフェードインだったイントロ。今回は徐々に音が増えていくセッションスタイルで。間奏は大改造してドラム → ベースの長尺ソロコーナーを作りました。二人ともかっこよかった!

それに続いて上モノメンバーが2小節ずつソロ回し。みんみん→ナカジ→平松君(僕の好きな”風”の「海風」のイントロをとっさに弾いた彼!)。コーラスのうちだあやこ氏もシェイカーと満面のスマイルでやりきりました。そして通常の間奏に戻ってギターソロは僕が担当。

このスぺシャルアレンジのせいで尺が倍近くになりましたが、こういうライブならではの感じってやってるほうも楽しいし、お客さんにも楽しんでもらえたんじゃないかなと思います。実際この曲だけ再生数が他曲の3倍越えとすごいことに。

youtu.beフルで公開しています。

6.ナツノユメ
音源(大森がすべて演奏+打ち込み)を基本にしつつ、この曲も改めてメンバーでアレンジを。バラードですがREC時に歌ったときよりどんどん熱くなっていきます。ギターソロ、下で書いてますが少し前から挑戦しつつある新しいプレイスタイルで。音色も決まって気持ちよかったなあ。


www.youtube.com
こちらもフルで公開中。

7.恋は終わってしまった
全員で燃えました。最後の1ブロックで半音転調するのですが、アウトロでさらに半音上げてギターソロ存分にやりました。客席に降りたり暴れました笑。 

youtu.beこちらもフルで公開中。


動画からのキャプチャ(撮影:アダチヨウスケ)


動画からのキャプチャ(撮影:アダチヨウスケ)


ギターの新しいプレイスタイル

書いてきたように、バンドとしてもいろんな挑戦をしたのですが、個人的なトピックとしてはフェイザー&コンプのギターソロを挙げておきたいです。

フェイザー、コンプレッサーはエフェクターの名称。単体でも使いますが、この組み合わせの音作りはシティの王道。日本では鈴木茂氏の音づくりが有名なところでしょうか。


動画からのキャプチャ(撮影:アダチヨウスケ)

コンプだけってのは1~2年くらい前からすでにやり始めていましたがRECでの使用がほとんどでした。この数年はライブ自体が少なかったし、サポートライブの現場ではエレキギターを弾く機会も限られていたので。

その時期を経て、今回たくさん弾いてみることにしました。夏の2曲リリースを機にフェイザーも新しく導入。御大とは雲泥の差ではありますが似たような音が比較的楽に作れるので、気持ちが上がりますね。

「夏の星座」「ナツノユメ」の2曲、そして音色はちょっと違うけど「涙が出ちゃうよ」「メランコリー」の間奏でもこのスタイルで弾きました。ハマったときの気持ちよさ、これこれ!って感じで病みつきになります。これからもっともっと開拓していきたいです!


動画からのキャプチャ(撮影:武井由佳)

今までは爆音のディストーションでのギターソロが僕の必殺技みたいなところがあったのですが、今後はこういうスタイルももっともっとやっていきたいと思いました。

まあ爆音のほうも1曲くらいはということで、ラスト曲で披露。お約束になりつつありますが暴れました笑。盛り上がって良いんですけど、カオスの中でもただめちゃくちゃ弾いてるわけではないので(そう見えないかもですが出来不出来はあるのです)、研究は続けたいなと。


動画からのキャプチャ(撮影:武井由佳)

楽しむ余白とバンド感

ほかにも今回のライブで考えていたことはあります。バンドのアンサンブルを楽しむ“余白”みたいなものを結構意識的に作りました。

なんていうかな、例えば「メランコリー」のアウトロをたっぷりやる。その中で各自アドリブでカオスを表現する、その自由な部分。

既述ですが「涙が出ちゃうよ」のイントロや間奏のソロコーナー。これで曲が8分に伸びたのですが、1曲減らしてもいいから歌のないインスト部分を意識的に重視してセッション的に楽しんでみたいと。


photo by 並木万実 (fr.夢見る港/ELEKIBASS)

動画からのキャプチャ(撮影:武井由佳)

いつもそう思っているのですが、最低限決めるフレーズや目指す方向性はありますが、基本自由に、そのときそのときの出音に呼応しながらのびのびと演奏してもらいたいんです。

こだわってないわけではない、逆で、多分人よりこだわる...らしい。だからと言ってアレンジをガチガチに固めて「歌伴!」て感じじゃなくて、決めるところ以外は自由にやりたいなと。それはいつも理想なんですが、今回そういうところもうまくいったのではないかなと思います。

もちろん各自(僕含め)反省点はそれぞれありましたが、「楽しそうに見えた」「メンバーが個性派ぞろいで飽きない」などと感想をもらえたり、映像や録音を聴いてもその姿勢が見て取れて、狙いはうまくいったのかなと思いました。

ナカジのインスタより(photo by 並木万実)

またやりたいです、続けたいです。

というわけで最高の仲間に恵まれ、いろいろな挑戦をし、今回のライブに臨むことができました。この9月の2回のライブは春の時点で既に決定していて、そこからあれこれ考え、構想し、夏からリハに入り、新曲のリリースなどもしつつ突っ走ってきました。

2022年の春から夏のすべてがこの2回のライブのためにあったような感じさえします。ずっとずっと楽しみだったしプレッシャーだったし、なんか大会に向けてずっと練習していた部活みたいな感じでした。課題もありましたがやりきりました!

(あまりに気負いすぎて9/10ライブ帰宅後なにも食べられないほどの頭痛、そして9/23後は2連休を寝込んで過ごすという有り様....苦笑)


Photo by 入江拓也 (fr.ELEKIBASS/henrytennis)
左から
みんみん(残像のブーケ/henrytennis/フライダースetc)
うちだあやこ(残像のブーケ/dodo/Quinka with a Yawn etc)
並木万実(夢見る港/ELEKIBASS/写真も感謝!)


Photo by 入江拓也 (fr.ELEKIBASS/henrytennis)
Perfumeです笑

たくさんの人から「絶対続けて欲しい」と言ってもらえました。またいつかタイミングを図って、このバンドで演奏できたらいいなと思います。それをすべきだと強く思いました。

そのためには今回(正直言いますが....)伸び悩んだ集客ですね。気持ち的にもせっかくやっているのだから観てほしいというのもあるし、現実問題としてそこがクリアできないと続かない。バンド、それもソロでバンド編成となるとなおさらです。

いい歌を作る、いい歌を歌う、いい演奏をする。それは前提として、どうにか広めていく努力をもっともっと頑張らないとと思いました。

次にいつできるかはまだ分かりませんが、なるべく早いうちにバンドでやれたらと思います。同時に弾き語りや小編成ではもっとフットワーク軽くやりたいですね。それで応援してくれる人を増やしていければバンドライブも近づくと思うので。


大森撮影

今回の足元。激安の可愛いやつが1個混じってますが(評判どおりでなかなか悪くないですよ)納得のいくお気に入りのセッティングになりました。昔は歪み系ばかりとにかく並べてましたが大人になったなぁ...笑

 *

さて次は10/30、宇都宮で弾き語りライブです。
同郷・同じ高校出身、音楽誌にもたびたび登場する尊敬するギタリスト・小川倫生さんとツーマン(7年ぶり!)。

僕のステージには、春にインスタ対談でもお世話になった凹川拓真くん(fr.みどりかわさん)の参加が新たに決定しました!

東京方面へ帰れる時間帯で企画してもらいましたので、遠方の方も是非!(さらに前日は同じ会場であがた森魚サポート+O.Aで少し歌います)



 

Information 


【News / Release】
◆2か月連続デジタルリリース決定 第2弾「ナツノユメ」9/22解禁

 配信ストア一覧
◆2か月連続デジタルリリース決定 第1弾は8/24解禁、残像カフェのセルフカバー「夏の星座」
 配信ストア一覧
◆「残像のブーケ」1stアルバム好評発売&配信中
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全曲ダイジェスト>youtubeに公開中→こちら 
その他
ティザー動画(×6)あり
◉CD 紙ジャケ仕様、歌詞&セルフライナーノーツ付
 OURLIFE MUSIC WebShopにて購入可
◉配信 各配信ストア一覧ページ→こちら

◆過去作品『君の街 僕の街』
配信解禁 & 収録曲から新たに「イツカノハル」リリックビデオ公開
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・「イツカノハル」リリックビデオ▶︎こちら
・『君の街 僕の街』サブスク各社リンク一覧▶︎こちら

【Live Schedule】>>スケジュールページ
●10.29(土)宇都宮 悠日カフェ
あがた森魚ワンマン (サポート参加+O.Aとしても出演決定)
●10.30(日)宇都宮 悠日カフェ
小川倫生 × 残像のブーケ(大森元気)ツーマン


【OtherWorks】
●2021年11月発売、RISA COOPERこと岡田梨沙のソロアルバムに1曲楽曲提供しました→特設ページ / 全曲Teaser動画
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あがた森魚 2013年~2021年複数アルバムにChoで参加しています。またライブも不定期でサポート参加中(Cho,AG,EG)
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●2019年公開よりロングランを続けている映画『嵐電』(らんでん)(監督:鈴木卓爾/主演:井浦新/音楽:あがた森魚)エンディング曲にコーラスで参加。DVDのほかサントラも発売中。
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●「アートにエールを!」出展作品佐島由昭作品「遠くの窓からこんにちは」音楽を担当。YOUTUBEにてご覧頂けます。(同監督とは過去2作品でも提供しています)