画像引用元:映画『パンとバスと2度目のハツコイ』公式サイトより
前回も書きましたが、しばらく更新していなかった別ブログ<大森元気の制作日誌>を先日から再開しています。(再開後 4記事アップしました)
今回の記事もその連動記事になります。
映画「パンとバスと2度目のハツコイ」のこと
制作日誌ブログではちょうど1年前あたりを振り返り中ですが、その頃に観た映画『パンとバスと2度目のハツコイ』についてちょっと書いてみました。
ただし映画の核心には触れていません。本題から逸れたところで思ったことを書いただけの記事で純粋な映画レビューではありませんのでご了承ください。
◆深川麻衣さん初主演映画、今泉力哉監督作品
カバー動画シリーズ用に乃木坂46「強がる蕾」(深川麻衣さんのソロ曲)を歌った流れで、ずっと観たいと思っていた映画『パンとバスと2度目のハツコイ』を観た。監督は「愛がなんだ」「街の上で」「アイネクライネナハトムジーク」等で話題の今泉力哉氏。(乃木坂のMVなんかも手掛けています)
深川さんは2016年乃木坂46を卒業し、事務所を移籍。その後の卒業生はグループを卒業しても事務所には残るパターンが多いが、俳優活動を中心に活動したいと新境地に飛び込んだ。舞台を経験した後、2018年、彼女の初主演映画となったのがこの作品だ。
尚、当作品はTAMA映画祭で最優秀新進女優賞を受賞している。(あわせて今泉監督が最優秀新進監督賞、伊藤沙莉も最優秀新進女優賞を受賞)
同年、深川さんはNHK朝ドラにも出演、2019年以降は数々の地上波ドラマや映画に出演を重ね、2021年には大河にも出演するなど活動の場を広げている。情報番組で取り上げられていたが元乃木坂と知らずに彼女を認識している視聴者も多くなってきたそうだ。
◆あのとき完成だった、と後から気づく
前置きが長くなりました。『パンと~』の話。
恋愛映画ではあるが文学的でもあり、哲学的な面もあり。主人公の独特の恋愛観もそうだが、たとえば絵を描くときの話。
※以下多少のネタバレあります。
絵を描く時、いつまで描けば(いつやめれば)完成なのかという話。油絵には終わりがない。最初から「ここが終わり」って決まっているわけではない。けれどある瞬間に「ああ終わりだ」と分かる。
でもたまに「あのとき終わりだった」と後から気づくことがあって、そういうときはそれ以上はもうよくならないのにダラダラ描き続けることがある。主人公ふみはそう語る。
これはとても共感できるものだった。まるで今回のレコーディングのことみたいじゃないか!
ちなみにその話には続きがあって、「そういうときは驚くほど雑なところでやめれば良い」とも言っていた。「なぜなら自分が最高と思える瞬間はもう過ぎ去っているから」。
僕の場合、雑なところでやめる勇気がないなあ。どうにか落としどころを探り続けてしまうだろう。
というよりも「あそこで完成だった」と思えるところまでまだ行っていないのか。3年以上も作っていて。
◆「楽しかったから描いていた」と「楽しいと思えたことがないのに続けている」
絵を描くのが楽しかったけど今はつまらなくなって辞めてしまったふみ。それに対して楽しいと思えたことがないのに描き続けている妹。「それが一番強い」と声をかけるふみ。
この対比も考えさせられた。絵に限らず音楽でもそうだなあ。食えてないのに音楽をやっている自分とか。まあ僕の場合は楽しいからやっているんだけど。楽しくなくなったら辞めるのかなあとか。今と昔の音楽との向き合い方とか。いろいろ考えるなあ。
そしてこれは主人公の独特な恋愛観ともメタファー的にシンクロしているのだろうか?
(まあいいや。、今回は映画レビューでないのでこれ以上は掘り下げないでおきます。またタイミング合ったら書くかもしれません)
◆何度も繰り返し観ることになりそうな映画です
「いつも寂しくいたい」「好きにならないで」そんなふみの恋愛観に共感できるかは別として、言葉の選び方や、間のとり方、映像の撮り方、あまり重要でないようで意味のあるシーンのセレクトとか。要するにツボがこれでもかと自分の好みだった。
もちろん深川さんを応援しているということもあるが、それを抜きにしても自分の好きな映画のベスト3に入る作品だなあと思えた。
万人受けはせず、酷評する口コミも見受けられるけれど。特にドラマチックで分かりやすい映画が好きな人には全くおすすめできないけれど、それでも僕はこの先何度も繰り返し観ることになるだろうな。自分にとってそんな作品だと思いました。
追伸
いろんな事情とかあるんだろうけど(使われてる曲をディスるつもりも毛頭ないけど)エンディングテーマはやはりギルバート・オサリバンだったらもっと最高だったと思う!
公式予告編 90秒版
●過去記事にて深川麻衣さんのこと、それから「強がる蕾」分析など語っています
こちら→【バンドマンが乃木坂にハマった話(2)〜強がる蕾(女優・深川麻衣さん)】
●ちなみに僕のカバー動画はこちら
https://youtu.be/YIbGY9OCek4(乃木坂46「強がる蕾」カバー)
続・どれだけやり直すか(多分サカナクション山口氏の話だったと思う)
◆無限ループだけどダラダラとは違う
1年前。レコーディングと編集作業が3年を越え、データとメールでやりとりする形で行なっていたミックス作業もチェック&バックがエンドレス状態になっていた。その頃の下書きを引き続き記してみたいと思います。
↓
とりあえず、自分はダラダラ作り続けているという段階ではない。「まだ違う、これでも違う」その繰り返しだ。人をまきこんでそれが無限に近い繰り返しをしていることが良いかどうかは別として、それはダラダラとは違う。
ただ、ちゃんと作りこんでから録り始めればよかったという人はいるだろうな。それはそうなのだ。でも毎回これでどうだ!と思ってアダチ君(REC & MIXエンジニア)にデータを送るのだ(ごめんなさい!)
◆全力を尽くせば、悔いではなくシミみたいなものになる(サカナクション山口氏)
あるいは、覚悟をもって完成と決めたらそこが完成になる。どんな名作でもどれだけ時間をかけても悔いは残るものだと色んな人が言っている。(これまでの自分もそうだった)。
それはサカナクションの山口氏だったと思うけど彼も言っていた(星野源氏だったかなあ、間違ってたらごめんなさい)。
どれだけこだわって作ったって「ああすればよかった」という部分は必ず出てしまうもの。けれど全力を尽くせたのなら、それは悔いというよりも洋服についたシミみたいなものになる。綺麗じゃないんだけど、でも愛せるというか。そういう話。それも同感で自分の過去作品にもたくさん思い当たることがある。
◆ゴールまでもがきながら進むしかない
いま僕はそこに行くためのマラソンを走っているんだとはっきり思える。3年以上かかっている(※下書き当時。今や4年に達した)としても、人を巻き込んでしまっていても。別の方法もあったのかも知れないし、ひょっとしたらお金で解決できたこともあったかもしれない。けれど今もうこのマラソンの終盤。ゴールまでもがきながら進むしかないのだ。
制作日誌の次回記事ではいよいよミックスが完了します。リアルタイム的にはリリース直前の準備いよいよ佳境!
information
大森元気(ex残像カフェ/花と路地)は「残像のブーケ」というソロプロジェクト名で2020年心機一転始動しました。
【News / Release】
◆残像のブーケ アルバム先行第3弾デジタルシングル
「旅するように歌うのだ」2021.12.21 デジタルリリース
・各配信会社へ飛べるリンクページ
・youtube版試聴(MV予告編)も公開になりました。
◆20.12.21 アルバム先行 第2弾「boys&girls」期間限定デジタルリリース
Trailer映像▶こちら / 各サブスクへのリンクページ▶こちら
◆20.6.12 残像のブーケ初リリース曲「ぼくの愛する暮らし」参加コンピリリース
・MV▶ こちら / 各サブスクへのリンクページ▶こちら
※再生していただくだけでコロナ禍打撃店舗への支援収益となります
◆Youtubeチャンネルにて自宅で歌うセルフカバーシリーズ公開中。弾き語りシリーズ不定期更新中。
一覧ページはこちら
【Live】
決まり次第お知らせします
【OtherWorks】
●2021年11月発売、RISA COOPERこと岡田梨沙のソロアルバムに1曲楽曲提供しました→特設ページ / 全曲Teaser動画
●あがた森魚 2013年以降の複数アルバムにコーラスで参加しています。またライブも不定期でサポート参加中(コーラス、アコギ、エレキギター)
●2019年公開よりロングランを続けている映画『嵐電』(らんでん)(監督:鈴木卓爾/主演:井浦新/音楽:あがた森魚)エンディング曲にコーラスで参加。DVDのほかサントラも発売中。
●「アートにエールを!」出展作品佐島由昭作品「遠くの窓からこんにちは」音楽を担当。YOUTUBEにてご覧頂けます。