「めくるめく僕らの毎日 311」
めくるめく僕らの毎日は
風に飛ばされる砂のようだ
こんなにももろい幸せ
変わらない毎日に嫌気がさして
変われない自分にも悩み疲れて
それこそがきっと幸せ
隣のカップル顔合わせずっと談笑中
どんな未来を描いてるんだろう
僕らは夢を見て生きてきた
下らないことに笑いながら
闇の中で君を探そう この日々を繋いでく
四角い画面から押し寄せてくる
たくさんの死と嘆きのこと
本当のこと 本当じゃないこと
麻痺した都市で言葉掛け合いながら
ささやかな優しさに涙ぐんだこと
悲しみの中に見つけたこと
流された街 訪れたのは昔
そこに暮らしていた人々
電気の消えた部屋で次々と
浮かびあがる思い出たち
会えぬ人がくれたマッチが あかあかと火を灯す
めくるめく僕らの毎日は
たえず満ちては欠ける月のようだ
いつかまた満ちるときが来る
見えない敵と戦いながら
見えない不安に怯えながら
守るしかないこの暮らし
涙ぐむ顔 悟られまいと
精一杯つくったあの日の笑顔を
僕は二度と忘れないだろう
隣のカップル馬鹿みたいにまだ談笑中
だけど心が静まった
僕らは夢を見て生きていく
下らないことに笑いながら
闇の中で君を探そう この日々を繋いでく
闇の中で君を探そう この日々を繋いで
朝が来れば光はさすだろう この日々を繋いでく
2011.3.25（music：2005）大森元気
＊
ここから今日の日記。
僕も僕のまわりも日本もあらゆることが変わりました。
僕はまだすべてのことより音楽を優先していてライブに明け暮れ、それ以外のときは杉並から新宿まで自転車通勤していました。今より３つまえの職場。僕は30代前半。精神年齢的にはまだ20代の気分だったような気がします。
いろんなことが変わったけど、
それでも変わらないものは何だろうな。
身近な人が元気でいてほしいという気持ち。
それから学んだことは何だろうな。
当たり前は簡単に壊れてしまうということ。
だけど、
そうやって思ったことだって、恐怖や憤りだって
そのうち霞んでしまうということ
上に書いた、
「めくるめく僕らの毎日311」の原曲である
「めくるめく僕らの毎日」には
「♪そしてまた何かを忘れて
また僕は笑っているのだろう」
という歌詞をくりかえし使っているのだけど
そうやっていろんなことがうやむやになって
笑って暮らすんだよ。
それは悪いことだし、いいことでもある。
今この状況と311とを同列で語っていいのかはわからないけれど、見えない不安とか、どうにもならない状況という点では似ている。ライブができないことや、自粛せざるを得ないということも。
今夜予定していたあがた森魚サポート（山本精一さんとのツーマン）も無しになりました。
うやむやになってしまうのは困るけれど
またバカみたいに笑える日が早く来ますように。
この日々のあいだの損失が
わずかでも、少しでも取り戻せますように。
そのためには
同じやり方にこだわりすぎないで
もっと考えなくては。
でも心が疲弊して負けてしまわないことも大事。
僕も周りも疲れ果てている。
希望を、糸口を見つけたい。
そうだ、震災のあとだってこう歌った。
「闇の中で君を探そう この日々を繋いでく」
Information
【release】
●現在新作をレコーディング中です。
別ブログ「大森元気の制作日誌」更新再開しました。
●自主レーベル10周年&大森元気30代を総括するbest盤
『メランコリー OOMORIGENKI 2009-2018 BEST』 発売中
現在はライブ会場＆通販で購入可
●あがた森魚最新アルバム『観光おみやげ 第三惑星』
コーラスで数曲参加しています。→詳細（トレイラー動画あり）・購入
【 live 】
◆あがた森魚ライブに不定期で参加させて頂いています。
ライブスケジュールはこちら。大森がどれに参加するかは後ほどお知らせします。
◆自身のライブは決まり次第お知らせします。
お誘いもお待ちしています！
【 works 】
現在全国公開中 映画「嵐電」（らんでん）
(監督=鈴木卓爾／主演=井浦新／音楽=あがた森魚）
・TAMA 映画フォーラムにて最優秀作品賞＆井浦新さんが最優秀主演男優賞を受賞！
・高崎映画祭にて最優秀作品賞受賞
あがた森魚によるエンディングテーマにコーラスで参加しています。
【 media 】
WEBマガジン「Cheer Up!」10周年&クリスマス特集「Cheer Up! Christmas」の中の「My Favorite Christmas Music」というコーナーに寄稿させて頂きました。
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