日々の残像VI〜音楽と暮らし〜

残像のブーケ/大森元気のブログ - since April 2019

乃木坂音楽考(1)〜ピアノとストリングスが印象的なアレンジ

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しばらく休んでいた別ブログ「制作日誌」の更新を先日から再開しまして。下書きはしてあるので整えればすぐアップできるのですが、今はまだ5~6月のふり返り中です。その時期の僕はといえば、ブログにも何度か書いていますがちょうど乃木坂の音楽にハマった頃でした。

その影響で1曲アレンジをがらりと変えようか相当迷ったりしていました。その詳細は日誌ブログのほうに書きましたが、ロックバンドの生演奏(荒々しいファズギター入り)をやめて、きらびやかなピアノとストリングス、リズムは四つ打ちという、要するに乃木坂でよく使われる楽器編成に変えてみたいという誘惑と戦っていました。

▶︎【安全と冒険で君はどっちへ行く? - 大森元気の制作日誌

結局、元のアレンジで録ることにしたのですが、デモを作ったりしばらくのあいだ本当に悩みましたね。それほど新鮮に映った乃木坂のアレンジについて今回は少し掘り下げて書いてみたいと思います。


◆クラシック寄りのピアノのスタイル、アコースティックギターとの相性
先程「ピアノとストリングスの組み合わせ」と書きましたが、その組み合わせは乃木坂に限ったことではなく、ごくごく普通のことです。でも自分には乃木坂を聴き始めた頃にとても印象的に映ったのでした。何がそう感じさせたのか。

まずピアノがブルージーでなく、言うなればクラシック寄りのスタイルであること。
僕はフォークやロックを聴き始めた10代から現在に至るまで、歌メロはポップながら、鍵盤はブルージーなのものが好きでした。ブルージーとざっくり書いてしまいましたが、ニューオリンズ系だったり、ロックの中で聴こえてくる「いなたい」、要するにちょっと黒っぽいスタイルのピアノ。

それに対して乃木坂で使われるピアノにはブルージーさは無く、クラシック系のスタイルできらびやかに転げまわるようなアレンジになっています。そしてイントロもピアノが担うことがかなり多いです。


乃木坂46 『君の名は希望』Short Ver.

乃木坂の代表曲の1つ「君の名は希望」(リンク先はSpotify、以下同じ) 、この曲もピアノのイントロから始まります。(ちなみにこの曲をメンバーの生田さんが弾いたソロピアノverが、現在乃木坂駅の発車ベルに使われています)

そしてウワモノ的にはエレキギターの曲ももちろんありますが、あえてエレキを入れず、アコースティックギターをフィーチャーしているものがかなり多いです。アコギとピアノ、そしてストリングスの組み合わせ。それが乃木坂の1つのカラーになっているのだと思います。  


乃木坂46 『逃げ水』 ※楽曲は1:30あたりから

こちら「逃げ水」もイントロがピアノの曲。そして1番と2番のサビ直前に突然ブレイクしドビュッシーの「月の光」が挿入されています。3サビ前の同じ部分はピアノの駆け上がりフレーズでこれもクラシック的。


乃木坂46 『涙がまだ悲しみだった頃』Short Ver.

涙がまだ悲しみだった頃」は、 メロディー自体は元気なアイドルソングですが、イントロ・サビのコード進行は、クラシックの要素を含むドラマチックな進行。(コードネームで書くとE♭- E♭- ConD - Gaugですが、含んでいる和音はもう少し複雑のような気がします)さだまさし氏にこんなコード進行の曲があったような。


その他、イントロがピアノだったり、冒頭ピアノがフィーチャーされている曲は本当に多くて、「命は美しい」「今、話したい誰かがいる」「いつかできるから今日できる」「サヨナラの意味」「きっかけ」「何度目の青空か?」などなど、シングルや代表曲の半分以上がピアノ入りの曲ですね。


◆印象的なストリングス
第2の特徴として冒頭にも書きましたがストリングスがあります。前述のきらきらしたピアノとの相性が抜群なんですね。

スタイルとしては特に奇をてらったものではなく王道のアレンジが多いですが、ストリングスがアレンジの要(かなめ)になっていたり、ピアノとストリングスの絡み合いでフレーズを聴かせたりという曲もあって、魅力的だなあと思います。

さきほどエレキギターが入っていない曲も多いと書きましたが、エレキギターが担うような曲の大事なフレーズをストリングスが担うというパターンも割と多いですね。 


乃木坂46 『気づいたら片想い』Short Ver. ※楽曲は2'43"から。

気づいたら片想い」リズムはサンバ系の四つ打ちになっていて、それに乗るピアノとストリングスがウワモノのメインになっています。

ちなみにストリングスアレンジの話からは逸れますが、マイナーキー(暗いスケール)のメロディーは80年代の歌謡曲ぽくて、おじさん世代には懐かしく、若い人には新鮮に聴こえるのかなあと思ったりしています。



乃木坂46 『ハルジオンが咲く頃』Short Ver.

以前もブログで書きましたが、現在女優として活躍している深川麻衣さんの卒業シングル「ハルジオンが咲く頃」。総勢20名のストリングスとEDMのコラボレーションです。


乃木坂46 『強がる蕾』Short Ver.

同じシングルのカップリング曲「強がる蕾」。バラードを盛り立てるストリングスは奇をてらったものではないですが、王道のアレンジを学ぶ上でとても勉強になりました。


◆フレーズを時間差で追いかけるストリングスアレンジ


乃木坂46 『帰り道は遠回りしたくなる』

自分の制作でも今回はほぼ初めてストリングスを(もちろん打ち込みですが)導入しようとしていて、冒頭にも書いたとおり、乃木坂にハマった春頃はストリングスアレンジの研究をしていました。

中でも「帰り道は遠回りしたくなる」の、間奏などで聴ける、1つのフレーズを時間差で追いかけて3回連続で聴こえるようなアレンジは、クラシックでも使われる手法ですがこれはかっこいいなあ!と興奮しましたね。自分のアレンジでもちょうど入れられそうな箇所があったので自分なりに応用して使ってみました(フレーズ自体はパクっていません)。まだリリースは先になるのですが発売した際には聴き比べてもらえたらうれしいです。

ちなみに2つの未来が交錯するこのMVは名作!


乃木坂46 『夜明けまで強がらなくてもいい』

生もしくは生っぽいストリングスを中心に紹介してきましたが、あえてシンセっぽいストリングスもときどきあります。現時点で最新シングルの「夜明けまで強がらなくてもいい」も、イントロ・アウトロの印象的なフレーズをシンセっぽいストリングスが担っています。間奏の速弾きはちょっとゲーム音楽っぽいですね。

まだまだ挙げたい曲はあるのですが、このへんにしておきます。それくらいストリングスとの相性はよいし、それが特徴になっていると思うのです。

ということで語り散らかしましたが、あくまで僕個人が受けた印象での話です。個人的に感じた印象に基づく考察ということで、ガチファンの皆様、他のグループのファンの皆様、どうかお許し頂ければと、、、。

 

【追記】

この記事で紹介した曲をまとめてSpotifyのプレイリストにしましたので、興味ある方はこちらから聴いてみてください。(無料版でもシャッフルで良ければ聴けます)

▶︎【プレイリスト- 乃木坂 ピアノ&ストリングス on Spotify】 

 

      ◆Information
【release】
●現在新作をレコーディング中です。
  別ブログ「大森元気の制作日誌」更新再開しました。

●自主レーベル10周年&大森元気30代を総括するbest盤
  『メランコリー OOMORIGENKI 2009-2018 BEST』 発売中
現在はライブ会場&通販で購入可

あがた森魚最新アルバム『観光おみやげ 第三惑星』
コーラスで数曲参加しています。→詳細(トレイラー動画あり)・購入
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【 live 】 
あがた森魚ライブに不定期で参加させて頂いています。
ライブスケジュールはこちら。大森がどれに参加するかは後ほどお知らせします。

◆自身のライブは決まり次第お知らせします。
お誘いもお待ちしています!

【 works 】
現在全国公開中 映画「嵐電(らんでん)
(監督=鈴木卓爾/主演=井浦新/音楽=あがた森魚
TAMA 映画フォーラムにて最優秀作品賞&井浦新さんが最優秀主演男優賞を受賞!
・高崎映画祭にて最優秀作品賞受賞
あがた森魚によるエンディングテーマにコーラスで参加しています。

【 media 】
WEBマガジン「Cheer Up!」10周年&クリスマス特集「Cheer Up! Christmas」の中の「My Favorite Christmas Music」というコーナーに寄稿させて頂きました。
 Cheer Up! Christmas ---Cheer Up! WEB