インスタグラムのストーリー投稿より。いろいろデータがあがってくると嬉しいのはもちろん、なるほど...と興味深いですね。
ライナーノーツ後編
さて。前記事の続きです。
「残像カフェ初期作品集」配信手続き時に登録した説明文に、ブログのみの追記を加えてセルフライナーノーツにしました。
今回はその後編。前編はこちら。
6.あかずの踏切り
マイナー調のフォークロックナンバー。日本的なメロディーではあるが曲の成り立ちはニールヤングやジョージハリスン等からの影響も見られるか。自主制作盤『さみだれ』(2001年12月発売)およびTOWER RECORDS新宿店限定カセットコンピ『midnight charm#3』(2002年1月)に収録、また自主制作2作目『素敵日和』(2002年)にも同バージョンが収録された。また新録Verが公式盤『素敵日和』(2002年)に収録された。
サビのベースのフレーズが公式盤およびM9のライブテイクと大きく違っているほか、公式盤に入っているエレキギターおよびビブラフォンが入っていないこと、サビのハモリが公式盤より1声多い3声であることなど違いが見られる。
<ブログ追記>
上でも書いてますがサビのベースのフレーズが全然違います。今回の自主盤に入ってるのはもともと僕のリクエストで大友君に弾いてもらったフレーズ。ペダルトーン(=コードが変わっていくのにベースがずっと同じ音)が当時好きだったのでずっとCで引っ張りたかったんですね。対して、公式盤や今回も入ってるライブテイクでは大友君が考案したメロディアスなフレーズが聴けます。それぞれに良さがあると思いますが、変えて正解だったと思います。
イントロ4小節だけ出てくる歪んだドラムはエレドラで演奏したもの(音は加工しています)。公式盤でも同様の音が聴けますがあっちは生ドラムを加工したものだったかエレドラだったか。記憶にないな....今度聞いておきます。
ちなみに「サビ3声」と書きましたが澤田君は歌ってなくて大友君と大森がハモってます。メインのボーカリストが音源のときハモリもやるかやらないか。バンドによってポリシーが分かれると思うんですけど、世間的には(J-Pop的には)まあ普通だと思います。でもこの後すぐくらいから━━ソロ作品を除いて、できるだけメンバーでハモろうと意識を変えたように思います。2人うまいしね。声質も三者三様なので生かさない手はないと。
7.週末
レゲエにも似たユニークなリズムの楽曲。自主制作盤『さみだれ』(2001年12月発売)およびTOWER RECORDS新宿店限定カセットコンピ『midnight charm#4』(2002年4月)に収録。その後新録Verが『今宵&みゅーじっく』(2003年)に収録された。さらに後年、大森が多数のゲストミュージシャンを迎える形で再演したバージョンがライブ会場&通販限定で発売された(2010年/現在は生産終了)。
終始しゃべり声が入っておりライブ録音であるかのような錯覚を覚えるが、これはわざわざ別途録音してミックスしたもの。やっつけっぽいギターソロと女性の笑い声のタイミングが偶然合ったことを当時の大森は気に入っていた。
<ブログ追記>
このやっつけっぽいギターソロ聴くだけでも当時けっこう指動いてたなあと笑。未録音ですが爆音でめちゃくちゃ弾きまくるブルース系の曲とかも当時ありました。クラプトンとジミヘンをよく聴いてたので、渋々のブルースギター大得意でした。
この曲は公式盤の1stになぜ入らなかったのか覚えてませんが2nd(今宵&みゅーじっく)には入りました。今宵の頃はワウペダルにハマっててアルバムで多用しているのですが「週末」でもワウでやりましたね。そちらは自主盤より音数も減ってちょっと大人ぶってます笑
上でも書いてますが街のいろんな声が入っています。これはハンディレコーダーで録ったもので、録音場所はずっと新宿東南口のマックと思ってるんですがどうだろう、違うかなぁ。
あの時代、タワレコ新宿店はみんな通(かよ)ってたし、その近くにあったリハスタをあの時期は使ってたので渋谷や下北よりも新宿にばかりいましたね(それか澤田君の大学周辺)。そうそう、その使ってたリハスタは今はもうないのですがあの「初恋の嵐」のメンバー募集のチラシが壁に貼ってあった記憶があります。
街の声と別に遊び的にメンバーのいろんな話し声とか効果音を入れてます。こういう感じはビートルズっぽいのかな(You Know My Name?とか)自転車のベルの音はどこでどう録ったんだろうか。くしゃみも入ってますね。最後に大友くんが「最悪だ!」と言ってるのが聴こえます。大森が何か聞き返して、大友「トランペット」って言ってます。本物のトランペットを持ち込んだ記憶はないので、口でトランペットっぽく歌おうとしたのかな。それか口でオナラの音を出したのかなと思ってますが。違うかなあ。とにもかくにも、澤田君も先日SNSで書いてましたが「貴重な仲良し期だったことも音にいい影響を与えてる」(苦笑)そんな感じの録音ですねぇ。
8.日なたにて(live Jun.2002)
公式盤『素敵日和』に収録されている楽曲のライブテイク。M9とメドレーになっている。ポータブル機でのエア録音のため音の分離は良くないが逆に臨場感がある。スタジオVerよりロック色の強い音作りとなっており、違いを楽しめるようにと、CDの購入特典として該当店舗にて数量限定で配布された。
このテイクが収録されたあとまもなく各間奏でギターソロが演奏されるようになるが、この時期はまだバッキングやアルペジオに徹している。
<ブログ追記>
この曲はライブの定番ですが、何段階か変遷を遂げてきた曲です。
サビが全く別のメロディー(半年くらいこの形でライブでもやっていました。未発表)
↓
今のサビに。ただしAメロの文字数がもうちょっと少ない
↓
Aメロの文字数をぎゅっと増やして現在のように詰め込んだ。(公式盤のRECの前日だったのでAメロを全部ハモる大友君はかなりの驚きようでした)
↓
そのあとは上の文章でも書きましたが、ギターソロがなし→ギターソロあり→アウトロの長さがフリーサイズに...と微変遷していきました。
あとスタジオバージョンはまた違っていて、録音の段階になってもギターのアレンジが固まってなくてエレキは仮弾きのままOKテイクになりました。その代わりオルガンが上モノのメインになっていて。スタジオVerとライブVerが全然違うのもこの曲の面白いところです。
9.あかずの踏切り(live Jun.2002)
M6および公式盤『素敵日和』(2002)にも収録されている楽曲のライブテイク。M8とメドレーとなっている。ポータブル機でのエアー録音のため音の分離は良くないがそれが逆に臨場感がある。
スタジオVerよりロック色の強い音作りとなっており違いを楽しめるようにと、CDの購入特典として該当店舗にて数量限定で配布された。
特にアウトロのジャムセッションはスタジオ音源との違いが如実であり、スタジオ版で使用されたオルガン(公式盤はビブラフォン)がない代わりに、爆音のエレキギターがリズム隊と三つ巴となり白熱する、バンド感みなぎるものとなっている。
<ブログ追記>
この録音した会場はガッツリのライブハウスではなくて半分カフェみたいなハコなんですけど(でも音量の制限はないのですが──それにしてもですよ!)3人とも相当な爆音でやってますね。僕は何を思ったかアンプを2台同時に繋いで両方から出してます(!)。真面目に理由を説明すると、ファズを踏んだ時と踏まない時の音量差が欲しかったので試行錯誤してそうなったんだと思います。
当時のこのカオスなテイク、自分のプレイでいくつか感心することがあって。最後のジャムセッションパートで3人で盛り上がっていく中、僕のギターはひとしきり弾いたあとはもうロングトーンでノイズに徹しているんですね。指が動いてた時期なのでやろうとすれば速弾きも出来たのに、この選択とセンスは正しいです。
音の選び方もコードの構成音じゃない音とか使っていてカッコいいですね。今だったらもっと普通な感じになっちゃうんじゃないかなぁと。あと中盤のギターソロもいい音だしてますね。ファズ命!くらいのあの頃の僕でした。
10.週末(In-Store live Sep.2002)
M7および公式盤『今宵&みゅーじっく』(2003)収録されている楽曲のアコースティックライブVer。ライブ来場特典として配布された。レコードショップでの演奏のため店内アナウンスが冒頭に聴こえる。
スタジオVerはレゲエを崩したようなリズムパターンであったが、このアコースティックVerはカントリー/フォーク系のリズムで演奏された。多数のパーカッションが聴こえるが、すべて澤田によるもの(両手・両足で演奏)。カズーは大森。
<ブログ追記>
この録音自体はときどき聴くことはあったんですけどいつのものかよくわかっていなくて、今回調べたら2002年9月のタワーレコード京都店でのインストアライブでした。名古屋、京都、大阪と3日連続で回って。そのときはライブハウスでの演奏は1つもなかったのですが、残像カフェ初(というか人生初)の遠征ライブとなりました。
無料とは言えどれだけお客さんが集まってくれるのか不安でしたが3か所ともたくさんの人が来てくれて本当にありがたくて、ホテルに戻ってもずっと余韻が残っていたのを覚えています。
僕がカントリー系のリズムでやりたかったのでこういう(言ってみたら普通の)リズムになってますが、本当はメンバーはスタジオVerみたいにレゲエっぽいやつでやりたかったのかなぁ、どうかなぁ。今さらだけど今書きながらちょっと思いました。
書き終えてみて...
というわけで全曲、エピソード含め振り返ってみました。公式盤を持っている人は比較も楽しいと思うし、今回初めて聴く人や、普段サブスクだけしか聴かない人にも楽しんでもらえたらなと思っています。
演奏は粗いし、録音やミックスも手作り感満載、バンドの代表曲もいくつかは入ってるけど入っていない曲もあって決してベスト盤的ラインナップではないけれども、間違いなく残像カフェの“原点”がここにあるような気がしますね。
このあと公式盤を作ったり、試行錯誤したり、お客さんは増えていきますが、悩みの時期に突入していき...(苦笑)、澤田君の言い方を借りれば「貴重な仲良し期」が終わり、いろいろな道を辿って行った僕たちでした。
原点であるとともに、初々しさや、希望や、怖いもの知らずの気迫や、評判や評価に無縁の無邪気さや、そしてなんといっても楽しい雰囲気。そのあと失われることになる色々な要素があふれ出している、ほんの一瞬を閉じ込めた作品だと思います。書くと大げさですけどね。そんな奇跡的な時期は一瞬しかなくて。当事者だけの雰囲気だったら申し訳ないんですけど、僕らにとってはそんな作品です。
追記
コメントなどでお問い合わせ複数いただいていますが、今回「第1弾」と書いたので、ならば第2弾は?と。まだ具体的には決まっていることは何もないのですが、何らかのものはリリースしていけたらと思っています。そして公式盤も権利の関係で今すぐというのは難しそうですが併せて進めていけたらと思っています。
さて。
12日(明日!) 残像のブーケ全国発売、
16日 (次の日曜)リリースパーティーと続きます。
その後目立った予定がないので、是非に!
後日追記と訂正
後から気づいてしまったのですが....。自主制作盤の1stのタイトルを『さみだれ』とがっつり書いてしまっていますが、ジャケットには『残像カフェ』としか書いてなくて。僕が長年の通称として『さみだれ』と呼んでいただけかも知れません。。配信会社へ提出した曲説明文はあとから変えられないそうなので、せめてこの欄でだけでも訂正とお詫びさせていただきます。すみません!
Information
【Live Schedule】
◉2023.4.16(sun)
祖師ヶ谷大蔵 カフェムリウイ
残像のブーケpresents 1stアルバム『残像のブーケ』全国発売(& more)リリースパーティー
出演:残像のブーケ(大森元気弾き語り+アコースティックバンド編成)、SPIRO(quiet set)、平松稜大、ソフテロ
>>詳細はスケジュールページにて
【News / Release】
◆「残像のブーケ」1stアルバム 2023.4.12全国発売決定
2022年春にオンラインショップ・ライブ会場・配信のみでリリースした1stアルバムが遂に全国流通決定です!必ず入荷するとは限らないためお問い合わせ・ご予約をおすすめします。
<全曲ダイジェスト>youtubeに公開中→こちら
その他ティザー動画(×6)あり
CD 紙ジャケ仕様、歌詞&セルフライナーノーツ付
OURLIFE MUSIC WebShopにて購入可
配信 各配信ストア一覧ページ→こちら
◆旧譜(ソロベスト盤)「メランコリーOOMORI GENKI 2009-2018 BEST」2022/11/2配信解禁
◆2か月連続デジタルリリース決定 第2弾「ナツノユメ」2022/9/22解禁
配信ストア一覧
◆2か月連続デジタルリリース決定 第1弾は2022/8/24解禁、残像カフェのセルフカバー「夏の星座」 配信ストア一覧
【OtherWorks】
●2021年11月発売、RISA COOPERこと岡田梨沙のソロアルバムに1曲楽曲提供しました→特設ページ / 全曲Teaser動画
●あがた森魚 2013年~2021年多数のアルバムにChoで参加しています。またライブも不定期でサポート参加中(Cho,AG,EG)
●2019年公開よりロングランを続けている映画『嵐電』(らんでん)(監督:鈴木卓爾/主演:井浦新/音楽:あがた森魚)エンディング曲にコーラスで参加。DVDのほかサントラも発売中。
●「アートにエールを!」出展作品佐島由昭作品「遠くの窓からこんにちは」音楽を担当。YOUTUBEにてご覧頂けます。(同監督とは過去2作品でも提供しています)