九州・中国地方に続いて、今日（※7月16日に書いています）、関東・東北地方も梅雨が明けました。「夏が来る～」と歌詞にもある、くるりの「さよならストレンジャー」をカバーしました。
僕が一番好きなくるりのアルバム
くるりは以前「春風」をカバーしたときにいろいろ書きましたが、大学時代、音源を聴きまくったりライブにもよく通って本当にたくさん影響を受けました。
その中でもメジャー1stの『さよならストレンジャー』が本当に好きで好きでたまらなく、くるりから10曲選んでプレイリストを作れと言われたら10曲中7～8曲は1stから選んでしまうんじゃないでしょうか。20曲だったらもうアルバムごと入れてしまうかもしれません。
1曲1曲もすごく好きなのですが、流れとかトータル性も魅力のひとつ。岸田さんのインタビューによると（シングル2曲は別として）まずアルバムタイトルにもなっている「さよならストレンジャー」が出来て、そこから流れのあるような作品にしたくて曲を作っていったと。インディー時代の曲のストックもあったけれどあえて新曲でアルバムを作ったのだそうです。
すでにシングルで出ていた「東京」「虹」も浮くことなく収まり、「さよならストレンジャー」「オールドタイマー」「7月の夜」「傘」「ブルース」などバンドっぽい佳曲たちが並びます。「ランチ」「りんご飴」などのアコースティック曲や、インスト／コラージュ曲もよい流れを作っています（結局全曲いい！）
以前ブログ（制作日誌）に書いたこともあるのですが、この頃のエレキギターの音色も好きで、ロック味はあるものの歪みすぎていない音作りがツボです。転調やテンポチェンジも多用して、“変態”な感じも発揮しつつ、メロディーや歌詞がいいので心地よく。実験性と抒情性とのバランスが絶妙なんですね。
さよならストレンジャーから沸き立つ匂いと季節感
今回カバーしたのはそんなアルバムの表題曲。人によっては地味と感じる人もいるかも知れませんが、イントロが始った瞬間、楽曲の世界に引き込まれ「匂い」みたいなものが立ち昇ります。
「真っ暗な昼休み」という歌詞は本当に暗いのではなく、逆光で見えない状態だとどこかで読んだことがあります（記憶違いだったらすみません）。夏が来るときのわくわく感と気だるさの入り混じった気持ち。学生時代のモヤモヤした感情。東京の夏も暑いですが盆地特有の夏の京都の気だるさ思い起こさせます。
コード進行の妙、ボーカルの独自性
ギターでのキーはA（Capo2なので実際はB）ですが、サビはキーC、aメロはキーAとCを行ったり来たりしています。またbメロは転調していないもののコード的に解決しないままサビへなだれ込むので一瞬Dに転調してるような錯覚にも。まったりとした曲調のなかにこんなこだわりの進行が隠れているんですね。楽器の使い方や音色の作り方も最高。
そんな大好きな楽曲ですが、カバーしたのは今回初めてでした。岸田氏の歌はもちろん上手いのですが、「上手い人」的な歌い方というよりは喋るように歌います。そして音符に表せないタイミングの妙が効いていることを痛感しました。基本演奏より後ろめで歌いつつ、箇所箇所で前後に揺れる。それがこの曲の気だるさや懐かしい空気感をさらに雰囲気あるものにしていたのでした。
今回は僕なりに歌うしかなかったですが、岸田さんのボーカルスタイル、ついシャウト的な部分ばかり真似したくなりますがそういう根底にある”息遣い”みたいなところ、本当に勉強になります。
「さよならストレンジャー」
Performed by 残像のブーケ(a.k.a.大森元気)
2021.7.16公開
Written by 岸田繁
Original Release：くるり『さよならストレンジャー』(1999)
おまけ
こちらは以前カバーした「春風」
◆弾き語り動画シリーズ（一覧ページ）はこちら
information
大森元気（ex残像カフェ/花と路地）は「残像のブーケ」というソロプロジェクト名で2020年心機一転始動しました。
【News / Release】
◆20.12.24 アルバム先行 第2弾「boys&girls」期間限定デジタルリリース
・Trailer映像▶こちら
・各サブスクへのリンクページ▶こちら
◆20.6.12 残像のブーケ初リリース曲「ぼくの愛する暮らし」参加コンピリリース
・MVつくりました▶ こちら
・各サブスクへのリンクページ▶こちら
※再生していただくだけでコロナ禍打撃店舗への支援収益となります
◆Youtubeチャンネルにて自宅で歌うセルフカバーシリーズ公開中。弾き語りシリーズ不定期更新中。
【Live】
20.8 残像カフェ10年ぶり再集結終了。ありがとうございました。
残像のブーケおよびサポート参加ライブは決まり次第お知らせします
【OtherWorks】
・あがた森魚2020年アルバム『浦島2020』に2曲コーラスで参加
・あがた森魚2019年アルバム『観光おみやげ第三惑星』複数曲にコーラスで参加
・2019年公開より1年以上今なおロングランを続けている映画『嵐電』(らんでん)（監督：鈴木卓爾／主演：井浦新／音楽：あがた森魚）エンディング曲にコーラスで参加。DVDのほかサントラも発売中。
・「アートにエールを！」出展作品佐島由昭作品「遠くの窓からこんにちは」音楽を担当。YOUTUBEにてご覧頂けます。
