日々の残像VI〜音楽と暮らし〜

残像のブーケ/大森元気のブログ - since April 2019

実験的作品”zanzowcafe extra”のこと【動画シリーズ6月(2)】

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引き続き動画シリーズ6月続きます。
雨にちなんだ歌は数多くあっていろいろ歌いたくなりましたが、適当に歌うのも嫌でいろいろ試行錯誤してましたね(撮ったけど公開していないカバーも実はあったり、、)


◾️「雨の風景」と実験的作品”zanzowcafe extra”のこと

youtu.be

「雨の風景」
performed by 残像のブーケ(a.k.a.大森元気)
2021.6.20公開
written by 大森元気
release
・original ver...大森元気ライブ会場配布デモ(2007)
・release ver...zanzow cafe extra『zanzow cafe extra』(2007)

作った本人が聴いてても眠くなる歌ですが、タイトル通り、雨の風景を眺めながらBGM的にぼーっと聴いてもらえたらばっちりハマるかなと思います。



2005年〜2007年夏まで、残像カフェはバンドから〈大森元気のソロユニット〉となっていました。しかし個人的にはバンドにこだわりたい気持ちをずっと持っていて、サポートメンバーとともにバンド編成でライブ活動をしていました。(並行して弾き語りも)

事務所/レーベルもその方向性(=バンド志向)を否定しませんでしたが、「バンドにこだわらず面白いことは出来ないか?」「既存のファン以外にも聴いてもらえないか?」とレーベル的には画策していたところでした。

そんなときレーベルメイトでもあった京都のトラックメイカーdaisuke mizushima氏(fr.kimono my house)とコラボレーションするアイデアをレーベル発信で持ちかけてくれて、僕も乗ることにしたのでした。それがzanzow cafe extra (ユニット名、アルバム名同じ)でした。

それまで曲のアレンジはバンドメンバーもしくは大森がしてきましたが、その大前提を壊し、大森はアレンジはもとより楽器も弾かない、ボーカルだけ録ったらあとはmizushima君に一任するという方法を取りました。

打ち合わせも、メールのやり取りもあえてしないという徹底ぶり。mizushima君にはとにかく自由にやってもらうと。その方法でどんなものが出来るのか?そんな実験性の高いアルバムになりました。

出来上がってみて、ポップさはありつつもう本当にぶっ壊して来たなあという感じで。全部分解して再構築したような印象でした。

使う楽器の種類や全体のサウンドが変わるところまでは想像していましたが、ボーカルの音程を変えずに別のコードを付けることで調(キー)が変わっていた曲もあり、それには心から驚愕しました。要するにドレミーと歌ったものがファソラに聴こえるような感じで、全く別の曲に聴こえたんですね。 コードの付け方って自分的にすごくこだわっていた要素だったんだ!と逆説的に気付いた瞬間でもありました。

だから「これで伝わるのか?」と心配になりました。周りのスタッフ等は「大丈夫、カッコいい仕上がりだ」と言ってくれたので身を委ねたのですが。皆さんの感想はどうだったんでしょうか。



そんなわけで、アルバム中もっとも原曲からかけ離れた歌がこの「雨の風景」でした。アルバム『〜extra』をお持ちの方は聴き比べてもらえたら面白いかと思います。

今回の弾き語りは原曲の雰囲気で歌ってみました。(2007年の配布用デモ、ライブではその1〜2年前からやっていたと思います)。物憂げに、優しい雨の眺めているイメージ。それに対してextraのほうは前も見えない程の土砂降りの中を、白昼夢でも見ながら彷徨っているような(笑)そんな錯覚を覚えます。 もちろんこれは僕の受けたイメージなのでmizushima君の意図や、リスナーさん達の浮かべたイメージも聴いてみたいなと思いますね。



それにしてもmizushima君の仕事には圧倒されました。ときどき聴き返すといまだに毎回発見や驚きがあります。

人は歳を取ると自分のやりたいことが分かってきて、それ以外のものを排除するようになっていくという面があると思います。 純度を高め、自分の世界を突き詰めることは確かに素晴らしいことですが、時にはこういうふうに全く違うものをぶつけてみること、違った界隈の人と真っ向からコラボレーションすること。そんな実験精神や冒険心も忘れてはいけないなと。そう思わされます。 そこから何か別のものが生まれるし、1人のときとは比べものにならないエネルギーが発されるのですから。


(追記)
ついでなのでzanzow cafe extraの「瞬間」という曲のMVも貼っておきます。

www.youtube.com



◆弾き語り動画シリーズ(一覧ページ)はこちら

 

information 


大森元気(ex残像カフェ/花と路地)は「残像のブーケ」というソロプロジェクト名で2020年心機一転始動しました。

【News / Release】
◆20.12.24 アルバム先行 第2弾「boys&girls」期間限定デジタルリリース
・Trailer映像▶こちら
各サブスクへのリンクページ▶こちら

20.6.12 残像のブーケ初リリース曲「ぼくの愛する暮らし」参加コンピリリース
・MVつくりました▶ こちら
・各サブスクへのリンクページ▶こちら
※再生していただくだけでコロナ禍打撃店舗への支援収益となります

Youtubeチャンネルにて自宅で歌うセルフカバーシリーズ公開中。弾き語りシリーズ不定期更新中。

【Live】
20.8 残像カフェ10年ぶり再集結終了。ありがとうございました。
残像のブーケおよびサポート参加ライブは決まり次第お知らせします

【OtherWorks】
あがた森魚2020年アルバム『浦島2020』に2曲コーラスで参加

あがた森魚2019年アルバム『観光おみやげ第三惑星』複数曲にコーラスで参加
・2019年公開より1年以上今なおロングランを続けている映画『嵐電』(らんでん)(監督:鈴木卓爾/主演:井浦新/音楽:あがた森魚)エンディング曲にコーラスで参加。DVDのほかサントラも発売中。
・「アートにエールを!」出展作品佐島由昭作品「遠くの窓からこんにちは」音楽を担当。YOUTUBEにてご覧頂けます。