日々の残像VI〜音楽と暮らし〜

残像のブーケ/大森元気のブログ - since April 2019

五月雨にまつわる2曲(村下孝蔵/残像カフェ)【動画シリーズ6月(1)】

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週1~2本ペースで公開中の弾き語り動画シリーズ。まとめ記事をさぼってしまっていました、すみません。。6月まとめその1です。

さみだれは漢字で書くと“五月雨”ですが6月の雨のことなんだそうです。

◾️「さみだれ残像カフェ セルフカバー

前回の「風薫る」に続きまして今回も残像カフェの楽曲で、結成当時のレア曲です。

タイトルは大瀧詠一、イントロやテンポ感は「抱きしめたい」、そして「ですます調」の歌詞。はっぴいえんどへのオマージュに満ちたこの曲は、残像カフェ初期には代表曲というか、バンドのテーマソング的位置付けでした。

デビュー前に制作した自主制作盤でも1曲目を飾っていましたが、
レーベル側の助言によりデビューアルバムに収録されることはありませんでした。無理にバンドのカラーを変えられたとかそういう話ではないですし、オマージュは話題性と裏腹に危険性も含んでいるので今ならその意見もなんとなくわかるような気がします。

結局その後も解散までレコーディングしないまま幻の曲となってしまいました。(後年、全楽器を大森が演奏したセルフカバーverあり)

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さみだれは漢字で書くと「五月雨」。4月後半〜5月前半、ゴールデンウィークの頃のしっとりした、霧のような雨の街を想定して書きました。

しかし後になって、それは旧暦の5月の雨のことで、今の季節に直すと6月すなわち梅雨の雨だということを知りました。ビジネスの場などで「五月雨式に」という言葉があるように、断続的に降ったりやんだりする、長雨のことを指す言葉なんだそうです。

とはいえ歌の世界観としては5月でも6月でもどちらでも問題がないかと。雨に煙る街で時間をもて余し、少しアンニュイに、君を思っているひととき。そんな風景をイメージしてもらえたらと思います。

「窓に向かって座ります」「バスを待つ人の」そんな風景。もちろん表参道とかのおしゃれなシーンを想像してもらっていいのですが、ネタばらしをすると、当時よく歌詞を書いていた中央線某駅前にあったドムドムバーガーの2階席からの風景です。コーヒーおかわり自由で重宝していました。駅の建て替えとともに無くなってしまいましたが当時の歌詞はほとんどそこで書いていましたね。

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さみだれ
Performed by 残像のブーケ(a.k.a.大森元気)
2021.5.28公開
Written by 大森元気
Original Release:
 残像カフェ デモ盤『残像カフェ』2001
 大森元気 『アイスキャンディー』2008


◾️「初恋」村下孝蔵カバー

前回の「さみだれ」繋がりで、♪五月雨は~の歌詞から始まる「初恋」のカバーです。 1999年46歳の若さで急逝した村下孝蔵氏の代表曲。前回も書きましたが「五月雨」は現在でいう6月、つまり梅雨の雨のこと。偶然にも氏が急逝したのが6月で不思議な符合が。それらにちなみ、没年より2017年まで毎年6月に「五月雨忌」という追悼イベントが行われていたそうです。

Wikipediaによれば制作当初はバラード調で、編曲家・水谷公生氏のアイデアでテンポを上げ、リリースしてみると大ヒットしたそうです。テンポだけが成功の要因ではないでしょうが、このテンポに変えたのは僕も大賛成です。でも原曲のバラード調のものがどんな雰囲気だったのか聴いてみたかった気もしますね。



村下孝蔵氏の楽曲は、極力英語を使わず日本情緒を大事にした歌詞にやさしく哀愁を帯びたメロディーと歌声。80年代の歌謡曲やロック、ニューウェーブ等のシーンにおいてフォークを突き通し、チャート変動も演歌のような動きを見せたという。一方で、“ひとりベンチャーズ”など、ギターの腕も達者。

そんな彼の楽曲を僕は網羅しているわけではありませんが、ときどき聴いてはせつなさや懐かしさなど、胸の中にしまいこんだ大事な部分がざわざわとするような感覚になります。「初恋」や「踊り子」などは特に好きでよく歌っています。

自分で言うのも変ですが(そしておこがましいことでもありますが)、彼の作る楽曲は僕の声に合っているような気がしますね。

このシリーズ動画を始めて、自宅で絶叫できないこともあって結果的に自分の声や歌い方に向き合うこととなりました。自分に向いている曲調についても考えたり、再発見することばかりです。 (ただ僕の場合「エモさ」という誉め言葉をもらうことも多いし、僕自身「気持ちはロック」という精神なので、メロウ歌うことだけが正解というのもちょっと違うのですが、、)



アルバムとシングルでテイクは恐らく同じですが、別ミックスになっているのと、アルバムバージョンにのみイントロ前に3拍子のプレ-イントロが付いています。 このオルガンのフレーズを今回ギターで再現してみました。

また歌中も少し欲張ってところどころ木琴やベースのフレーズをギターで弾いてみています。そこだけ歌があたふたしていることは否めませんが、、これも村下孝蔵氏の“ひとりベンチャーズ”精神と相通じる姿勢かもしれません。

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「初恋」
Performed by 残像のブーケ(a.k.a.大森元気)
2021.6.4公開
Written by 村下孝蔵
Original Release:
 Sg ver「初恋」(1983)
 Ab ver『初恋〜浅き夢みし〜』(1983)


◆弾き語り動画シリーズ(一覧ページ)はこちら

 

information 


大森元気(ex残像カフェ/花と路地)は「残像のブーケ」というソロプロジェクト名で2020年心機一転始動しました。

【News / Release】
◆20.12.24 アルバム先行 第2弾「boys&girls」期間限定デジタルリリース
・Trailer映像▶こちら
各サブスクへのリンクページ▶こちら

20.6.12 残像のブーケ初リリース曲「ぼくの愛する暮らし」参加コンピリリース
・MVつくりました▶ こちら
・各サブスクへのリンクページ▶こちら
※再生していただくだけでコロナ禍打撃店舗への支援収益となります

Youtubeチャンネルにて自宅で歌うセルフカバーシリーズ公開中。弾き語りシリーズ不定期更新中。

【Live】
20.8 残像カフェ10年ぶり再集結終了。ありがとうございました。
残像のブーケおよびサポート参加ライブは決まり次第お知らせします

【OtherWorks】
あがた森魚2020年アルバム『浦島2020』に2曲コーラスで参加

あがた森魚2019年アルバム『観光おみやげ第三惑星』複数曲にコーラスで参加
・2019年公開より1年以上今なおロングランを続けている映画『嵐電』(らんでん)(監督:鈴木卓爾/主演:井浦新/音楽:あがた森魚)エンディング曲にコーラスで参加。DVDのほかサントラも発売中。
・「アートにエールを!」出展作品佐島由昭作品「遠くの窓からこんにちは」音楽を担当。YOUTUBEにてご覧頂けます。