【4】残像カフェ10年ぶり再結成
2020年の僕のトピックスと言えばやはり残像カフェ(オリジナルメンバー)の2夜限りの再集結ライブです。すでにいろいろ書いたのでこちらを読んでもらえたらと。
▶︎総括(前編)残像カフェ10年ぶり再集結ライブ
▶︎総括(後編)残像カフェ10年ぶり再集結ライブ
ブランクもあったし、コロナの自粛もあったりで勘を取り戻せるかな?と不安もなくはなかったけど、そんな中、残像カフェにしかないグルーヴになっていました。音や演奏もですが、3人の雰囲気というか。みんみん氏も素晴らしいサポートをしてくれました。
勿論「もっといけたな~」ということも色々ありましたが全体的には大成功だったと思います。「キッチン」という曲で新歌詞を書いたり、最近の僕の曲「ぼくの愛する暮らし」を残像カフェでやったりもしました。
まあ上のリンク先記事にたっぷり書いたので、そっちを読んでもらうことにして。今日はあのときあんまり書かなったことを追記しておこうかなと思いますが。
数字的な話ですね。コロナ禍ということで2本とも無観客の配信ライブだったのですが予想よりアクセス数は伸び悩みました...。
目標であり仮想敵だった残像カフェ
2005年に残像カフェから2人が抜けて1人ユニット体制になって以来、いろいろな形で活動してきました。残像カフェの名前を引き継いでの活動、別バンドでの活動、ソロ活動。その他楽曲提供やサポート参加などもしつつ。それらの中で常に思っていたのが「残像カフェの知名度に頼らず、別の良さを探しながら活動をしていかなければ」ということでした。
オリジナルメンバーでの残像カフェはとても独特で、演奏の上手い人を集めたとしても再現不可能なものでした。それならば別の魅力を探すしかなく。そうやって逆らうようにもがけばもがくほどオリジナルメンバーの凄さを痛感したし、知名度も集客もあった当時の状況も相まってどんどん存在が大きくなっていきました。
どうしたら追いつけるか。追い越すにはどうしたらよいか。それは“目標”であると同時に“仮想敵”のような存在になっていました。
逃げ込むことは甘えか
目標や仮想敵だなんて書けばかっこいいんだけど、逆に言うと最後に逃げ込める場所でもあったのだと思います。
「もし残像が復活したらお客さんもまた集まってくれて、ライブは満員で、レコード会社もついて、メディアにも取り上げてもらえて...」そんなふうに思っていたところが多少はあったのかもしれません。“最後の砦”というか。
だから──メンバーの都合とか気持ちとかは置いといて、その一手を使うのはとても魅力で、同時に誘惑的でもあり、負けというか。その選択をしなくても可能性を考えている時点で甘えだよなあ...という自己嫌悪もありました。いわゆる「昔とった杵塚」状態ですよね。
時間は流れ、年齢も重ね、ここ数年はさすがにそんな葛藤に苦しむこともなくなりました。
ソロバンドで残像カフェのセルフカバーを楽しんだり、2019年には澤田君に誘われて保育園でハロウィンライブもやらせてもらいました(→ 当時のブログ記事)。澤田君との演奏は解散ライブ以来で、カバー2曲のみでしたが本当に楽しかったです。
今回の再結成もただただ嬉しくて。なんの葛藤もなくすぐさま快諾しました。あったとすればコロナの心配だけ。
復活が叶って...
というわけで葛藤はなかったのですが、そういうふうに戦っていた15年間の自分もいたから、やるからには<リモート夏祭り>の出演だけで終わらせたくなくて。(リモート夏祭りは地域の人向けだったので、セットリストの半分くらいはカバーでした)。そこに絡めてきちんと復活させて、あの頃応援してくれたたくさんの人にまた見て欲しかったのです。
そうやって再集結が叶って。それで僕は単純というかバカというか、当然のようにたくさんの人に見てもらえると思ったんですね。もちろん告知は頑張りましたが。
情報解禁した日や1本目のライブ(GOODMANでのイベント出演)のときはネットでもかなり盛り上がって、自分たちも本当興奮しました。けれど2本目(月見ルでのワンマン&夏祭り中継)については有料ということもあってか予想よりも苦戦しました。子育てで忙しい同世代にも配信だったら見てもらいやすいのかなと、少し希望も思っていたのですが...。
もちろん観てくれた皆さんには感謝してもしきれません。けれど期待どおりの売れ行きだったかというとちょっと悔しくて、期待しすぎていた自分も読みが甘かったのかも知れませんが、やっぱりちょっと悔しかったですね。
15年間の結果
誤解してほしくないのは、それはファンの方を責めているのではなく自分の責任だなあということです。落胆と書いたのはそういう意味です。
15年間いろいろやっては来たけれど、結果が伴わなかった。もっと頑張れていればいざ再結成となったときにもっと盛大なことになっていたはずだよなあと。
もちろん数がすべてではありません。どれだけ心震わせられるか。でも本当に心震わせられるものだったら数も後からついてきたはず。この15年のツケが回ってきちゃったなあと。
次の再結成はまた10年後か?なんて半分冗談で言っていましたが、そうかもしれないし来年かもしれないし、それはタイミング次第なので誰にもわかりません。でもその時がきたらもっとよいパフォーマンをしたいし、今回よりもっとたくさんの人に観てもらいたいなと、それは強く思います。
そのためには自分の今の活動をもっともっと頑張らないとなと、それを思いました。
再結成の嬉しさと、当時の雰囲気が蘇った奇跡はありつつ、そんな悔しさと決意があったことは、一応ここだけの話ですが書いておこうと思います。
デビュー前からお世話になってきた秋葉原CLUB GOODMAN。閉店が決定、最後に残像カフェでの演奏が叶い、当時の仲間達とも再会できて嬉しいやら悲しいやらのお祭りでした。そして1か月ほどでGOODMANなんと復活(独立)が決定!さすがとしか言いようがないです。
小金井市のリモート夏祭りの1コーナーとしてライブ中継をオファーされたことが今回の再集結のきっかけとなりました。中継場所を探す中で月見ル君想フでのワンマンライブが決定。(ワンマンの中の1部分が夏祭り中継出演という形)。観ていただいた皆様ありがとうございました。
終えてみて変わったこと~叶った夢、さめた夢
結局長く語ってしまいましたが、最後にもう1つだけ。
仮想敵やら甘えやらいろいろ言ったけど、要するに一種の「夢」が叶ったわけですね。そしたら不思議というか当然というか、自分の活動に戻ったときに心境がまるで変わっていることに気づきました。残像カフェのことを変に意識しなくなっていました。
新しいソロプロジェクト「残像のブーケ」は、再集結の話が出る前に始動しました。あえて「残像」という名前を使うことで、ソロではあるけれど残像カフェの頃のやり方でまた曲づくりをしてみたくて、「残像カフェの未来進行形」なんてプロモーション文に書いたくらいです。
あえて名前を使って、向き合って、次へ行こうという意思を示したいという気持ちがありました。超えたいとか別の良さとかもう色々悩まずに全部受け入れると。割と意を決してその決意表明をするつもりで名付けました。
が、突然──そしてすんなりと──残像カフェが再集結してしまった。それまでは「もう戻らない過去」的な存在として残像カフェを捉えていたし、それがどんどん大きな存在となっていったので。それが叶ってしまった後はなんていうか夢も敵ももろとも失ったような感じになっていることに気づきました。
戻らないから美しい的なことってよくある話で。今回を機にタイミングさえ合えば再結成できることが分かってしまったし、今はあの頃とは違う、今なりの残像カフェを楽しむことができたので。だからもう変に意識する意味がなくなってしまいました。
皆さんからしたら「で?」という話かも知れないけれど、実現してみて本当にはっきり気持ちが変わったのでした。魔法は簡単に現れもしたけど、同時にとけてしまったと。そういうことですね。
それは呪縛から解き放たれて自由になったとも言えるし、切り札もしくは進む原動力を失ったともいえるかも知れません。これからの活動にどう影響するのかちょっとわからないですが。まあ名前は気に入っているので残像のブーケでしばらくは続けていくつもりです。まあ自由に何でもやれる気持ちでいるので、前向きに進んでいきます!
とにかくそんなことを思った再集結でもありました。ひとりよがりの文章になっちゃいましたかね?ごめんなさい。
でも。本当繰り返しになりますが観てくれた皆さん、15年も忘れないでいてくれて、観てくれて心からありがとう。それが一番です。
飛沫防止のために自作したグッズ。二重でカードしてます。(リハ時のみ使用)
◆◇information◇◆
大森元気(ex残像カフェ/花と路地)は「残像のブーケ」というソロプロジェクト名で2020年心機一転始動しました。
【News / Release】
◆アルバム先行 第2弾「boys&girls」期間限定デジタルリリース(12/24)
【Trailer】「boys & girls」1st Album先行 デジタルリリース第2弾
★各サブスクへのリンクこちら→https://linkco.re/1RvC7aMb
◆残像のブーケ初リリース曲 「ぼくの愛する暮らし」MⅤ公開中
・同曲コンピ参加 & サブスク解禁
※再生していただくだけでコロナ禍打撃店舗への支援収益となります
・Youtubeチャンネルにて、自宅で歌うセルフカバーシリーズ(不定期)更新中
【Live】
残像カフェ10年ぶり再集結終了。ありがとうございました。
残像のブーケおよびサポート参加ライブは決まり次第お知らせします
【OtherWorks】
・あがた森魚2020年アルバム『浦島2020』に2曲コーラスで参加
・あがた森魚2019年アルバム『観光おみやげ第三惑星』複数曲にコーラスで参加
・2019年公開より1年以上今なおロングランを続けている映画『嵐電』(らんでん)(監督:鈴木卓爾/主演:井浦新/音楽:あがた森魚)エンディング曲にコーラスで参加。DVDのほかサントラも発売中。
・「アートにエールを!」出展作品佐島由昭作品「遠くの窓からこんにちは」音楽を担当。YOUTUBEにてご覧頂けます。