日々の残像VI〜音楽と暮らし〜

残像のブーケ/大森元気のブログ - since April 2019

僕のギターヒーロー達(前編)

f:id:zanzow:20190913122328j:plain

別ブログ<制作日誌>のほうで「新しいギタースタイルの模索」みたいなことを書いたことがあるのですが、このブログでもギターのことを書いてみようかと思いまして。軽い気持ちで書き始めてみたのですが、自分のギターヒーローを総括するような記事になりました。

長くなったので前編・後編にわけて公開します。


◆ぼくのギターのルーツ

プレイスタイルというほど立派なものではないけれど、僕のエレキギターの基本形が形成されたのは22~3歳くらい、3ピースだった頃の“くるり”にハマったあたりでした。歌いながら弾き、歌の合間にリフやソロも弾く。最近はどうか分かりませんが当時ギターソロのとき暴れたり高速カニ歩きみたいな動きになったり、そういう岸田氏のアグレッシブなパフォーマンスには本当興奮したものです。

ギターだけでなくシャウトの仕方とか、バンドアンサンブルとか、詞や曲や、すべてにおいて影響大です。


くるり 街 Quruli Machi

この動画は4人編成になってからのものでギターソロも爆音ではないけど、やっぱり最高だなあ。ていうかこのサムネの岸田君、ちょっと僕に似てないですか?....すみませんこんなにイケメンじゃないです(苦笑)


◆10代の頃 エレキギターとの出会い
それより前に影響うけたのは、小学校から聴き始めたフォークのバックで聞こえるギターとか、高校になるとスピッツとかミスチルあたりの邦バンドあたり。もっとも高校2年までエレキは触ったことなくて(アコギは12歳から)、高2で友達からエレキを借りたのが最初となりました。


スピッツ / 涙がキラリ☆

高校のときコピバンでカバーしたこの曲。Aメロのアルペジオは頭から弾かずに最初に8分休符を入れる(ン・タララ~)とか、Bメロはコードで2発だけ鳴らすとか、歌モノの基本形をスピッツから学んだ気がしますね。

残像の曲は歪んだ音で低いところから入るギターソロが多いのだけど、それもスピッツの影響かもしれません。

大好きなビートルズは音楽的な影響はたくさん受けたけど、ギタースタイルというよりはアレンジ全体という感じでした。あとはエリック・クラプトンのライブ盤に合わせて延々とアドリブしたりするのが好きでしたね。(おかげで大学に入ってJAZZ研に入ったとき最初からアドリブできて楽しかったです)


◆もう1つのルーツ、伊勢正三氏の影響
それとフォークの延長で伊勢正三氏の影響は大きいです。彼はフォークの人という一般的なイメージがありますが、わりと早い時期(“風”中期以降)エレキをばりばり弾いていましてギターソロなどもギタリストと半々くらいに弾いています。


伊勢正三 LIVE

こちらは近年(声変わりしてから)の映像ですが、13’50”あたりでエレキに持ち替え、メドレー2曲目(16'20”~)ではガンガン弾いています。アウトロではソロバトルを披露。アドリブで自由に弾いていくスタイル、フレーズなどまんま僕のスタイルになっています。


◆20代前半音楽の旅
大学生になると、ジミ・ヘンドリックスや、引き続きクラプトン、そこから黒人のブルースに行きかけて引き返してきたり(笑)、そしてはっぴいえんど初期の鈴木茂氏などに影響を受けました。


12月の雨の日/はっぴいえんど

はっぴいえんどは相当ハマりましたね。「細野派?大瀧派?」みたいなことはよくファンの間で話題になりますが(ビートルズみたいですね)20代の頃は断然大瀧派でした。

はっぴいえんど=オシャレみたいな風潮がちょっとあって(今もあるのかな)そこに大いなる疑問を感じていました。初期だよ!ガレージサイケだよ!みたいな感じで。もちろん細野さんの魅力にも次第にはまっていくのですが。

ナイアガラ以前のワイルドでロックな大瀧氏のボーカル。そこに茂さんのファズギターが爆音で吠え、松本さんの無茶苦茶とも言えるドラムの連打が応酬する。細野さんも熱さと冷静さの両方を持ちながら太いベースを鳴らしている。後期を好きになるのは少し後で、当時はそんなはっぴいえんど前~中期のライブ音源の大ファンでした。


かくれんぼ Live~はっぴいえんど


あとはニールヤングのギターも大好きだったけど、難しくて自分のものにはならなかったですね。彼のギターは難しそうに聴こえないのにやろうとすると相当難しいのです。とは言え長尺アドリブで暴れまわるという点ではニールヤングや、同じく彼のフォロワーと思われるサニーデイサービスなんかも共通点があったのかなと思います。その二者とは実際よく比較されたりしました。


残像カフェのギタースタイル
並べてみるとなんとなく共通性があるような気がします。歪んでいて、ブルージーな泣きのギター。あとちょっとサイケな感じも好きでした(ゆらゆら帝国とか60年代のジャックスとか)。

残像カフェ時代、そして現在に至るまで、僕のギターは(特にライブは)そういう系統のブルース系の爆音ギターがひとつの型になっていきました。今でも当時の友人や先輩に会うと、そのことをまっ先に言ってくれる人が意外に多くて。僕のほうがびっくりすることも多いんです。


残像カフェ あかずの踏み切り

この動画は「再会&解散ライブ」より。上に貼ったはっぴいえんどの「かくれんぼ」の影響うけてたことに今気づきました笑 イントロ激似だ(笑)


ブルース一辺倒なスタイルは、若い頃は「おっさんみたいなギター」とギャップを面白がってもらえましたが、歳を重ねるうちに意外性はなくなるし、曲や人にもよりますが――悪い意味で「いなたく」なってしまう。僕は「しょっぱい」という言い方をしていますが。それと、音源では頭に描くアレンジもあって、音を重ねるにあたり別のアプローチがないかと探っていましたね。

そこではっぴいえんどが次第にシティ化してクリーントーンでファンキーになっていく感じや、南こうせつ氏のバックで見ていたDr.K(徳武弘文)氏の存在にヒントを見出すようになります。


後編につづく。(近日アップ予定)


information
【release】
●現在新作をレコーディング中です。
  別ブログ「大森元気の制作日誌」随時更新中。

●自主レーベル10周年&大森元気30代を総括するbest盤
  『メランコリー OOMORIGENKI 2009-2018 BEST』 発売中
現在はライブ会場&通販にて購入可。→こちらから
f:id:zanzow:20190911093422j:plain

【live】
決まり次第お知らせします。
音源が完成したらもう少し頻繁にやりたいなと思っています。
お誘いもお待ちしています!

【works】
現在全国公開中 映画嵐電」(らんでん)
(監督=鈴木卓爾/主演=井浦新/音楽=あがた森魚
あがた森魚によるエンディングテーマにコーラスで参加しています。